2007年10月4日木曜日

旧テロ特措法の問題点と新法の稚拙さ

これまでのテロ特措法と安保理決議との関連性に基づき、活動の妥当性について法的な観点から色々と議論されてきているが、今日は活動の効率という視点からメスを入れてみたい。海上阻止活動がアフガニスタンでのテロ対策にはいかに不毛で、米英はアフガニスタン対策を口実にしているが、明らかに彼らの石油タンカー(一部の石油利権)保護のために日本の補給活動を利用しているかが見て取れることを示したい。

海外阻止活動に対し、海自の補給活動は2001年12月から始まり、これまで約6年の歳月をかけている。その間の成果は新聞によると、麻薬約12トン、小銃500丁、弾薬12000発、拘束50人程という数字だ。たったこれだけのために、国民の税金が6年間使われて来ている。そして何の検証も、国会でこれまでされてこなくて、ただ盲目的に繰り返えされてきた事実をどう政府与党は我々に説明するのだ。

単純に考えれば、アフガニスタンには港が無いので、人・物の移動は陸路を取るしかない。だから、アフガニスタンでのテロ抑止対策を効率的に行うことを考えれば、隣国イラン・パキスタンのルートをゴールキープするのが筋だ。百歩譲って海上からパキスタンを経由して入るルートを押さえたいのなら、パキスタンの沿岸をゴールキープすれば済むはずだ。なにも広い海のどこに船がいるか分からないようなインド洋で輸送阻止をするというまったく理に反する行動には不可解な点が多すぎる。
そしてその不可解さを証明するかのような効率の悪い輸送阻止活動の成果だ。

では、本当の海外阻止活動の目的は何か?それは2つあると思う。
まず、海外阻止活動海域を見てまず目に付くことは、ペルシャ湾と紅海(スエズ運河)とを結ぶルートの安全確保だ。では、何のために。それは、米英の石油メジャーの安全確保のためと言い切っても過言ではないと思う。
もう一つは空母艦載機からのアフガニスタン空爆だ。ただし、この空爆の効果は、皮肉にも一般住民を巻き添えにする結果、新たなテロリストシンパを生み、近年のタリバン復活に一役買っているというからあきれ返る。つまり、日本の給油活動はテロリストを生み出しているのかもしれない。

新テロ特措法の骨子が明らかになったが、そこを貫いている姿勢は、旧来となんら変わらず、ただ給油・給水を継続したいということだけが片時も頭から離れず、日本の国家戦略は何だ、対外国交渉での税金の使い方の妥当性はどうだ、国際政治のパワーゲームをどう展開するか、そう言った視点がまったく欠けていて、バンドエイド的な末節の話に始終している。

石油タンカーの安全航行を保証するのなら、するではっきりと明確化すれば良い。こそこそと、いい加減な効果しか無いテロリスト海上阻止活動という名目で国民を欺こうとすべきでない。事実を明らかにするといいながら国家機密事項という隠れ蓑で詭弁を弄することだけは許されない。

とにかく、国民の税金を国家戦略の元に、明確なビジョンのもとで使うのなら国民も納得するというものだ。日本の石油タンカーの安全を確保することも必要なので、そのための一連の戦略の中で、新法を位置づけるならまだ、分かるが。。。まったく有耶無耶に、ビジョンも無く、外交戦略も無く、費用対効果の検証もできないレベルで、国際社会の一員としてという情緒的な言いまわして、押し切ろうという国民を馬鹿にしたやり方からまだ抜けていないし、マスコミもそのような論点をもてず、表面的なところに始終している。

なお、インド洋の空母艦載機からの脅しは、実はアフガニスタンだけにではなく、イランにも向けられている事を見逃してはならない。これまでの米国・英国流のテロ撲滅のやり方はだめだということがはっきりしているのに、さらにイランにまで戦火を拡大したらどうなる?火を見るより明らかとはこのことだ。日本の給油・給水活動はイランを巻き込んだ戦火拡大への危険性もはらんでいるということを忘れてはならない。

国民よ、本質から目を逸らしてはいけない。政治を自分たちの手に取り戻す時だ。

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